ロシア民族衣装のお店キリコシナ
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ロシアファッションヒストリー45 ロシアの霊性

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前回のシリーズ(ロシアファッションヒストリー44 ルパシカの歴史4)ではロシアのルパシカの歴史について紹介いたしました。その中でルパシカが古代の宗教、とくにロシア正教の古教義派と深くかかわっていたことを説明いたしました。そういう観点から見ると、そのシルエットや装飾となる刺繍の柄に、何らかの宗教的な意味が起源としてあったか、あるいは後から植え付けられたことが容易に想像できると思います。今回のブログでは、ロシアの霊性と題して、ルパシカやサラファンなどのロシアの民族衣装の有する「意味」を見てみたいと思います。

コソボロートカの首の切れ込みの意味

スラブの民族衣装の基本は常にルパシカでした。ロシアの伝統的なシャツの起源は、ロシア正教の古教義派と古代の異教徒の衣装に由来します。その最初のルパシカの名称は、実はコソボロートカです。コソボロートカの特徴は、首の割れを中央ではなく、右か左に偏って縫製したことです。もしロシアでルパシカと言ったら、このコソボロートカと真ん中に分け目のある両方のタイプを包含します。

スラブシャツ
伝統的なスラブのコソボロトカ

 

シャツの襟
作りはこうなっています。

スラブ文化を深く研究している歴史家たちの概ねの総意として、コソボロトカの切れ目の意味は、仕事中に胸の十字架が落ちにくくするためでもあったと考えています。

原則として、このような切れ込みは向かって右側、着ている人の左側に移動しました。これはあくまでも原則で、向かって左側にあるものも相当数見つかっています。

「左利き」というルパシカ

 

資料におけるコソボロートカの最初の言及は15世紀にまでさかのぼります。これらは男性の日常生活で広く使用され、帯やベルトを巻くことが一般的でした。

ベルト付きロシアのシャツ
首の真ん中に飾りはあるものの、切れ込みは右に振ってあるのでこれもコソボロートカ

 

古代スラヴ時代のロシア語に目を向けると、「シャツ」という意味の言葉はロシア語で«рубаха»、「ルバハ」と発音します。この言葉の語源は«рубъ»,あるいは «рубище, полотно»で、意味は「こする、布」 で「摩擦」にも由来しています。過去このシリーズでルパシカの昔の縫製法を示しましたが、原始的なものは1枚の布をシンプルに切って、特に頭を通す部分は単なる穴でしたから、単なる布という意味の語が「シャツ」の意味に使われることもあったでしょうし、頭を通すときの摩擦が」「シャツ」を意味するようになったとも考えられるわけです。

女性の「«рубаха»「ルバハ」、つまり「ルパシカ」についても興味深い歴史があります。最初のルパシカは下着のようなもので、ドレスやサラファンの下に着用されました。それらのカットは同様にシンプルで、長く作られ、そのような服は «стан»「スタン」と呼ばれていました。

ロシアの女性のシャツ
13世紀のスタン レプリカ

 

女性用のルパシカは、魔術用、草刈り用、赤ちゃんへの授乳用、儀式用、お祝い用など、さまざまなライフシーンに対応するあらゆる種類のものありました。歴史の観点から見ると、女性用ルパシカの特徴は、特に長袖で、しばしば床に届きました。そでにはひもが取り付けられており、ぶら下がってしまう袖を後ろで結ぶか、袖を折りたたんで固定することもできました。そのような凝ったモデルは、魔術師やあらゆる種類の古いスラヴの儀式を対象としたものでした。

レディースシャツ
スラブの古い儀式用の婦人用ルパシカ レプリカ

現代の女性用ルパシカ
魔術用ではありません

 

いかがでしたでしょうか。ルパシカの襟の切れ込みや女性用ルパシカに隠れていた「ロシアの霊性」、次回はルパシカやサラファンに用いられる絵柄の意味を探っていきたいと思います。

 

参考資料

・Ornament_russkoy_narodnoy_vyshivki_Maslova

・Levacheva_T_A _-_ Pomorsky_traditsionny_kostyum

・https://ethnoboho.ru/slavyanskiy/tradicionnyj-slavyanskij-kolorit-voploshhennyj-v-russkoj-narodnoj-rubaxe.html

・Uzory_starinnogo_shitya_v_Rossii_1880g

 

 

 

 

 

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